ホテルフロントや留学生支援もOK!技人国ビザ(技術・人文・国際業務)の対象職種と取得条件を解説

技人国ビザとは?

「技人国ビザってどんなビザ?」

「この仕事で日本に残って働けるのかな?」

日本で働きたい外国籍の方の中には、こんな疑問や不安を感じている人も多いでしょう。

技人国ビザ(正式名:技術・人文知識・国際業務ビザ)は、日本の会社で専門的な知識やスキルを使って働くための在留資格です。

 通訳・翻訳、IT、経理、営業など、オフィス系や知識を活かす職種が対象で、大学・専門学校での学歴や、関連する職歴が主な取得条件となります。

この記事では、技人国ビザの基本情報から、取得条件、対象職種、転職時の注意点、更新や在留資格変更の手続き、さらに無職期間が生じたときの対処法まで、やさしく解説します。

▶留学生のアルバイトや卒業後の働き方について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

技人国ビザとは?3つの区分と仕事内容を徹底解説

技人国ビザとは、日本で専門的な知識やスキルを使って働く外国籍の方のための在留資格(ビザ)です。このビザがあれば、大学や専門学校で学んだことを活かして、長期間日本で働くことができます。

正式には「技術・人文知識・国際業務ビザ」といいますよ。

その名の通り、活動内容によって以下の3つのカテゴリーに分かれています。

  • 技術: 理系分野の専門知識を活かす仕事
  • 人文知識::文系分野の専門知識を活かす仕事
  • 国際業務::外国の文化や言語能力を活かす仕事

それぞれの仕事内容が、自身の学歴や職歴と関連している必要があります。一つの仕事が複数の区分にまたがることも珍しくありません。

就労可能な仕事の種類【具体例で解説】

このビザで働ける仕事は、「専門的な知識や経験が必要な仕事」です。たとえば、

  • ITエンジニア
  • 通訳や翻訳
  • 会社での事務や営業

レジ打ちや清掃といった単純作業は、対象外となります。つまり、学校で学んだことや、過去の職歴を活かす仕事でなければなりません。

実際に技人国ビザで働いている外国籍の方の職種には、

  • IT企業でのプログラマーやシステムエンジニア
  • 旅行会社での通訳・翻訳
  • 貿易会社での輸出入業務
  • ホテルのフロント業務
  • 留学生向けの人材コーディネーター

などがあります。

3区分ごとの職種を表にまとめると、以下のようになります。

【技人国ビザ】3つの区分の違い(職種例)

区分分野の特徴具体的な職種例
技術分野理学・工学・情報工学などの自然科学系・ITエンジニア(プログラマー、システムエンジニアなど)・機械設計、建築設計、ゲーム開発・新技術の研究・製品開発
人文知識分野法律学・経済学・社会学などの人文科学系・経理、総務、人事、法務などの事務職・企画・マーケティング、広報・営業(国内・海外)
国際業務分野外国語力や文化理解を活かす・通訳、翻訳・語学教師(語学学校など)・貿易事務や海外取引業務・ホテルのフロント業務留学生向けのコーディネーター業務・インバウンド広報、海外向けマーケティング など

ファインスタッフでは、海外からのゲスト対応を行うホテルのフロントスタッフや、留学生向けのコーディネーター業務を取り扱っていますよ。

いずれも、「日本語または外国語を使って、専門知識を活かす」ことが共通点です。

他のビザとの違いは?

ほかのビザとの違いを簡単にまとめると、以下になります。

  • 技人国ビザ: 知識やスキルを活かす職種向け
  • 特定技能ビザ: 介護や飲食など、現場での技能労働向け
  • 特定活動ビザ: 就職活動中やワーキングホリデーなど、特別な事情がある人向け

技人国ビザは、「知識を使って働く」外国人の方向けで、本で長く安定して働きたい外国人の方に向いています。

一方、「特定技能ビザ」は介護や飲食など、現場で働く外国人の方のためのビザです。

技人国ビザの取得条件と対象職種

技人国ビザの取得条件や対応職種

技人国ビザを取るためには、以下の条件があります。

  • 働く会社が決まっていること
  • 仕事内容がビザの内容に合っていること
  • 学歴や職歴

これらがそろっていない場合、ビザの申請が許可されないこともあるため注意が必要です。以下で詳しく見ていきましょう。

働く会社が決まっていること

このビザでは、就職先の会社が決まっていることが前提になります。内定だけではなく、正式に雇用契約を結んでいることが必要です。

会社との契約書や雇用証明書などを提出することで、「日本で仕事をする準備ができている」とみなされます。

仕事内容がビザの内容に合っていること

ビザには対応できる職種が決まっており、その範囲内での仕事でなければなりません。

「技術・人文知識・国際業務ビザ」では、

  • ITエンジニア
  • 翻訳・通訳
  • 経理、総務
  • ホテルのフロント業務

など、専門的な知識を必要とする仕事が対象です。単純労働とみなされる仕事は、このビザでは働けません。

具体的には、ITの知識を使ってプログラムを書く仕事や、ホテルのフロントなどで、英語や中国語を活かして外国籍のお客様をサポートする仕事などがあります。

いずれの職種も、専門性があり、外国語スキルや高度な知識が求められることが特徴です。日本語だけでなく、外国語を活かせる職場も多く、国際的な業務に関わる人にとっては適したビザです。

学歴や職歴

仕事内容に関連した学歴や職歴があることは、ビザ取得の最も重要な条件の一つです。原則として、以下のいずれかを満たす必要があります。

パターン1:学歴で申請する場合

従事しようとする業務に関連する科目を専攻して、大学を卒業しているか、同等以上の教育を受けていることが基本です。

  • 日本の大学・短期大学・大学院:卒業していればOKです。
  • 日本の専門学校:専門学校を卒業し、「専門士」または「高度専門士」の称号を取得している必要があります。

重要なのは、専攻した内容と就職先の仕事内容が密接に関連していることです。 例えば、

  • 「観光学」を学んだ人:ホテルのフロント業務は関連性あり◎
  • 語学を学んだ人 → 留学生向けのコーディネーター業務に従事できる

こういった場合には、海外の大学・短期大学で学んだ経験が日本の大学卒業と同等と見なされ、認められます。

パターン2:職歴で申請する場合

学歴の要件を満たさない場合でも、職歴でカバーできる可能性があります。

  • 10年以上の実務経験:従事しようとする業務について、10年以上の実務経験があれば学歴要件は問われません。この経験には、大学や専門学校で関連科目を専攻していた期間も含まれます。
  • 3年以上の実務経験(国際業務の場合):翻訳・通訳、語学の指導、広報、宣伝、海外取引業務などの「国際業務」に従事する場合は、3年以上の実務経験があれば認められることがあります。ただし、大学を卒業している人がこれらの業務を行う場合は、実務経験は不要です。

実務経験を証明するためには、過去に在籍した企業からの「在職証明書」など、客観的な資料の提出が必要になります。

【よくある質問(FAQ)】

ビザについて調べる外国人女性

ここでは、技人国ビザについてのよくある質問にお答えします。

Q1. 技人国ビザがあれば、どんな仕事でもできますか?  

→ いいえ。このビザで働けるのは「専門知識を使う職種」に限られます。清掃や接客などの単純労働は対象外です。

Q2. 専門学校卒でも取得できますか?  

→ はい。ただし、専攻した内容と仕事の内容が一致している必要があります。たとえば、観光を学んだ人がホテルのフロントで働くのはOKですが、まったく関係ない分野だと難しいです。

Q3. 日本語能力は必要ですか?  

→ ビザの取得条件としては必須ではありません。とは言え、職場でのコミュニケーションや書類作成には日常会話以上の日本語力が求められることが多いでしょう。

Q4. 技人国ビザでアルバイトはできますか?

原則として、ビザで許可された活動(=本業の会社の仕事)以外の収入を得る活動はできません。

もしアルバイトをしたい場合は、別途「資格外活動許可」を入管から受ける必要があります。許可されれば、週28時間以内でアルバイトが可能です。ただし、風俗営業関連の仕事はできません。

Q5. ホテルの仕事も対象ですか?

 → 観光学や語学を学んだ人なら、フロント業務などで認められるケースがあります。

Q6. 留学生向けの支援業務も可能ですか?

 → はい。語学力や国際交流の経験を活かす「国際業務」として認められることがあります。

まとめ|技人国ビザで専門性を活かし、日本でのキャリアを広げよう

技人国ビザ(技術・人文知識・国際業務ビザ)は、外国籍の方が 学んできたこと・積み上げてきた経験を日本で活かすための重要な在留資格 です。

このビザを取得するには、大学や専門学校の卒業(または10年以上の実務経験)に加えて、仕事内容が専門的であることや雇用契約があることが必要です。

対象となる仕事は幅広く、

  • 理系分野の「技術職」(ITエンジニア、研究開発、設計など)
  • 文系分野の「人文知識職」(経理、人事、マーケティング、営業など)
  • 語学・文化を活かす「国際業務職」(通訳、翻訳、貿易、デザイン、ホテルのフロント、留学生向けコーディネーターなど)

と、多岐にわたります。

共通しているのは、いずれも 「専門知識やスキルを活かす仕事」であること。単純労働とみなされる仕事は対象外ですが、学んだ内容や職歴と関連性があれば、キャリアの選択肢は大きく広がります。

また、申請には「学歴や職歴と仕事内容の関連性」が重視されます。観光学を学んだ人がホテルフロントで働いたり、語学を学んだ人が留学生支援に携わるなど、専門性をきちんと証明できれば取得の可能性は高まります。

もし「自分の学歴や職歴で申請できるのか分からない」「どんな職種が対象になるのか知りたい」と感じているなら、専門のサポートを受けながら準備するのがおすすめです。

ファインスタッフでは、外国籍の方のビザ相談・お仕事探しをサポートしています。

わたしたちと一緒に、自分に合った働き方を考えてみませんか?