特定技能ビザとは?宿泊・外食・飲食料品製造業を中心に対応職種・取得条件を解説

「日本で働きたいけど、学歴がないとビザは取れないの?」
「介護やホテルの仕事で日本に行きたいけど、どうすればいい?」
このような悩みを持つ方にとって、有力な選択肢のひとつが「特定技能ビザ」です。
特定技能ビザは、一定の技能や日本語能力を証明できれば、大学卒業などの学歴がなくても取得できる在留資格です。
宿泊業や外食業、飲食料品製造業などを中心に、日本の人手不足を補う14業種で導入されています。
この記事では、特定技能ビザとは何か、対応職種・取得条件・申請手続き、在留期間、他のビザとの違いまで、図解や具体例も交えてやさしく解説します。
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特定技能ビザとは?仕組みと就労ビザとの違い

特定技能ビザは、2019年にスタートした比較的新しい制度です。外国籍の方が特定の産業分野で一定の技能と日本語能力を持っていれば、日本でフルタイムで働けるようになりました。
厚生労働省の調査によると、特定技能の外国人労働者数は前年に比べて、令和6年では206,995人で、前年比で49.4%(68,477人)増加しています。
特定技能ビザ取得者は、下図の「専門的・技術的分野の在留資格」に含まれます。

正式には「就労可能な在留資格」のひとつですが、一般的に「就労ビザ」と呼ばれる「技術・人文知識・国際業務ビザ(技人国ビザ)」などとは、対象となる仕事の内容や取得の条件が大きく異なります。以下で詳しく見ていきましょう。
特定技能ビザは「働けるビザ」だけど、少し特別な立場
- 就労ビザ(技人国など)は、ITエンジニアや通訳、経理など「専門知識や学歴が必要な仕事」に向いています。大学や専門学校を卒業していることが条件になる場合が多いです。
- 特定技能ビザは、「外食業・宿泊業・飲食料品製造業」などの現場での実務作業に特化しています。学歴は必要ありませんが、その代わりに「技能評価試験」と「日本語試験」に合格する必要があります。
つまり、どちらも働けるビザではありますが、働く内容や取得方法がまったく違うということです。
どんな人に特定技能ビザが向いている?
- 大学を出ていないけど、日本で働きたい
- 現場での作業が得意、体を動かす仕事が好き
- 技能実習の経験がある人(→特定技能へ移行しやすい)
こうした方には、特定技能ビザがとても合っています。一方、パソコンを使う事務職やオフィスワーク、翻訳などの仕事がしたい人は、就労ビザ(技人国など)を目指すのがよいでしょう。
対応職種と注目の業種(宿泊・外食・飲食料品製造業)

特定技能ビザの対象職種は全部で14業種ありますが、なかでも特に需要が高いのが以下です。
宿泊業(ホテル・旅館)で働く場合
ホテルや旅館では、フロントでのチェックイン・チェックアウト対応、客室の清掃(ベッドメイキング)、レストランや温泉での接客など、さまざまな業務を担当します。
宿泊業で働くには、日本語でお客様と会話ができるレベルの会話力が必要です。また、おもてなしの気持ちや笑顔、身だしなみ、丁寧なあいさつなど、基本的なマナーを重視される職場です。
外国人観光客も多いため、自分の母国語を活かして働けるチャンスもあります。忙しい時期は体力も求められるため、元気で明るく働ける人に向いています。
実際に、ホテル・ブライダル業界に特化した人材派遣会社「ファインスタッフ」では、特定技能1号の在留資格を持つ外国籍スタッフの方々も多く活躍しています。

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外食業で働く場合|身近で人気の仕事
外食業は、レストランや居酒屋、ファストフード店などでの調理・盛り付け、ホール接客、清掃などを担当します。
食事の提供を通じて日本の生活に密着した仕事ができるのが魅力です。接客では日本語でのやり取りが必要となるため、日常会話レベルの語学力が役立ちます。
ファインスタッフでは、この外食業分野における特定技能評価試験のフォロー体制も整っており、安心して挑戦できる環境があります。
飲食料品製造業で働く場合|ファインスタッフならグループ企業での就労も可能
飲食料品製造業では、食品のカットや盛り付け、パック詰め、ラベル貼り、工場内での衛生管理などが主な仕事です。
決まった作業をコツコツ続けることが得意な方に向いており、安定した勤務がしやすい分野です。
また、ファインスタッフのグループ企業である「対馬水産」では、外国人のアルバイト雇用も積極的に展開しており、この分野に興味がある方に多様な働き方を提供しています。

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その他の11分野は?(宿泊などを除く)
業種名(分野) | 主な仕事内容の例 |
建設業 | 建物や道路の工事、足場の組み立て、鉄筋・コンクリート作業、電気設備の設置、塗装など |
介護 | 高齢者の入浴・食事介助、見守り、掃除、記録入力など |
ビルクリーニング | 商業施設・オフィスの清掃、トイレや廊下の衛生管理など |
素形材産業(製造) | 金属の鋳造、溶接、プレス、切削などの工程 |
産業機械製造業(製造) | 機械の組立・加工、ねじ締め、ライン作業など |
電気・電子情報関連産業(製造) | 電子機器の部品組立、検査、はんだ付けなど |
造船・舶用工業 | 船の骨組みの溶接、塗装、配管作業、品質検査など(※2号移行可能) |
自動車整備業 | オイル交換、タイヤ交換、車検整備、部品の交換など |
航空業 | 空港での手荷物運搬、機体の清掃、搭乗案内など |
漁業 | 養殖、定置網漁、水揚げ、魚の選別・梱包など |
農業 | 野菜や果物の栽培、収穫、出荷作業、苗の植え付け、農機具の操作など |

介護」「外食」「飲食料品製造業」などは特に外国人労働者の受け入れが多く、試験制度・支援体制も整っていますよ。
特定技能ビザの取得条件と必要なスキル

特定技能ビザを取得するためには、「スキル」と「日本語力」が一定の基準を満たしている必要があります。また、すでに日本で働いたことがある人には、特別な移行制度もあります。以下でわかりやすく説明します。
技能評価試験に合格する
まずは、希望する仕事に関する「技能評価試験」に合格しなければなりません。この試験は、業種ごとに内容が違います。
たとえば、ホテルで働きたい人は「宿泊業技能測定試験」、建設現場で働きたい人は「建設分野特定技能評価試験」などを受けます。
試験では、「どんな仕事をどのように行うか」という技術的な知識や、実際に体を動かす実技などが問われます。

受験の前に、インターネットでサンプル問題や過去問題を見て準備しておくのがおすすめですよ!
合格すると、その職種で働くためのスキルがあると認められ、ビザ申請の条件をひとつクリアしたことになります。
ファインスタッフでは、外食業特定技能評価試験のフォローも行っています。(表内のリンクをクリックするとファインスタッフのInstagramに飛びます)
業種 | 主な仕事内容 | 技能評価試験名 |
宿泊 | フロント、接客、清掃 | 宿泊業技能測定試験 |
外食業 | 調理、ホール接客 | 外食業特定技能評価試験 |
建設 | 現場作業、塗装、足場など | 建設分野特定技能評価試験(分野別) |
介護 | 身体介助、施設業務 | 介護技能評価試験+介護日本語評価試験 |
農業 | 作物の栽培、出荷作業 | 農業技能評価試験(耕種・畜産) |
飲料食品製造 | 食品の加工・梱包 | 飲食料品製造業技能測定試験 |
漁業 | 養殖、漁獲作業 | 漁業技能評価試験 |
ビルクリーニング | 建物清掃・共用部管理 | ビルクリーニング技能評価試験 |
分野により試験内容は異なりますが、いずれも「実務に関する基礎的な知識・技術」が問われます。試験内容やサンプル問題は、インターネットで事前に確認できます。
日本語力はJLPT N4以上が目安
「日本語能力試験(JLPT)N4以上」または「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」の合格が必要です。大まかに、日常会話がある程度できるレベルが求められます。
働く業種によっては、N3〜N2レベルが推奨される場合もあります。
レベル | 内容の目安 | 特定技能での必要性 |
N5 | ひらがな・カタカナが読める。簡単な言葉が話せる | ×(足りない) |
N4 | 日常会話がある程度できる | ◎(最低条件) |
N3 | ゆっくりした会話なら理解できる | ◯(接客業に推奨) |
N2 | ニュースや仕事の指示をある程度理解できる | ◯(上級職に有利) |
JFT-Basic | N4相当の実用的日本語力 | ◎(代替可) |
技能実習から移行する場合のポイント
もし、すでに「技能実習生」として日本で働いた経験がある人は、特定技能ビザへスムーズに移行できる場合があります。
たとえば、技能実習で農業をしていた人が、同じく農業分野で特定技能ビザを申請する場合、多くの試験を受けなくても申請できることがあります。
この制度は、すでに日本の仕事や生活に慣れている人が、そのまま日本で働き続けやすくするための仕組みです。
ただし、免除の対象かどうかは分野や条件によって異なるため、雇用先や専門機関に確認しておきましょう。
特定技能ビザ申請の流れと必要書類

特定技能ビザを取得するには、ただ試験に合格すればよいわけではありません。
合格後には、日本の会社と契約し、支援計画の準備や入管への申請といった手続きが必要です。 申請書類の準備やタイミングを間違えると、ビザが不許可になる可能性もあるので注意が必要です。
ここでは、特定技能ビザの申請までの基本的な流れと、必要な書類についてわかりやすく説明します。
雇用先の内定が必要
特定技能ビザを申請するには、まず日本で働く会社が決まっていなければなりません。
雇用契約を結ぶことで、企業が受け入れ先となり、入国管理局への申請がスタートできます。
出入国在留管理局への申請ステップ
- 技能試験・日本語試験の合格
- 雇用契約締結
- 支援計画の策定(受入企業)
- 在留資格認定証明書の申請
- 入国・就労スタート
必要書類一覧と注意点
- パスポート・顔写真
- 合格証明書
- 雇用契約書
- 支援計画書
- 在留資格認定証明書申請書 など
不備があると不許可になる可能性もあるため、専門機関や企業のサポートを受けると安心です。
特定技能ビザ1号2号の在留期間と更新制度の違い

特定技能ビザには「1号」と「2号」の2つの種類があり、それぞれ在留期間や更新のルールが異なります。
1号と2号の違い
区分 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
在留期間 | 最長5年 | 制限なし(更新可) |
対象職種 | 14業種 | 一部の業種(建設・造船など) |
家族帯同 | 不可 | 可 |
永住申請 | 難しい | 条件により可能 |

特に、長く日本で働きたいと考えている人にとっては、この違いをしっかり理解することが大切です!
1号は最長5年、2号は無期限も可能
特定技能1号のビザは、最初は6か月または1年間の在留許可が出されます。その後、契約内容や勤務状況をもとに審査され、更新が可能です。
更新のたびに入管への手続きが必要ですが、1号として働ける期間は合計で最大5年までと決められています。
一方、特定技能2号は在留期間に上限がありません。更新の制限もないため、安定して長く日本で働きたい人にとっては非常に魅力的な制度です。条件を満たせば、永住権の申請も目指すことができます。
家族帯同・永住資格への影響は?
つまり、単身での来日・勤務が前提となっています。
しかし、特定技能2号を取得すれば、家族を日本に呼ぶことが可能になります。配偶者(妻・夫)や子どもと一緒に暮らすことができ、生活の安定につながります。
さらに、2号で長期間働き、日本での生活基盤が整っている場合は、将来的に「永住者」の申請も視野に入れることができます。
永住権を取得すれば、更新手続きや在留期間の制限がなくなり、日本での生活がより自由になります。
よくある質問|特定技能ビザを考えている方へ
ここでは、特定技能ビザの取得を考えている外国籍の方からよくある質問にお答えします。
Q1. 特定技能ビザとは何ですか?
A. 日本で14の業種において、人手不足を補うために導入された在留資格で、技能と日本語力があれば学歴がなくても働ける制度です。
Q2. 特定技能ビザと就労ビザ(技人国など)は何が違いますか?
A. 特定技能は「現場作業向け」、就労ビザは「専門職向け」で、必要な学歴や職種が異なります。
Q3. 特定技能1号は何年働けますか?
A. 最長5年間まで働くことが可能で、更新は半年または1年ごとです。
Q4. 特定技能2号にはどうやって移行できますか?
A. 一部の対象職種で、1号での就労経験と2号用の試験合格が条件です。現在は制度の拡大も検討されているため、最新情報を確認することが大切です。
まとめ|特定技能ビザで日本で働くために必要なこと
特定技能ビザは、専門職に限らず現場で即戦力として働きたい方にとって大きなチャンスとなる在留資格です。
宿泊・外食・飲食料品製造業などの人手不足が深刻な業界で働けるほか、大学卒業などの学歴がなくても、技能と日本語の試験に合格すれば取得が可能です。
在留期間は1号で最長5年、2号になれば更新制限がなく家族も呼べます。自分に合った分野と条件を理解し、正しく準備することが重要です。
わからないことがある場合は、早めに専門機関や人材紹介会社に相談し、安心して申請・来日を目指しましょう。

ファインスタッフでは、特定技能1号で働く外国籍スタッフの受け入れも積極的に行っています!
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